2.離婚の際に決めておくべきこと

 離婚の大多数は協議離婚です。協議離婚をする際には、これまでの生活を清算して夫婦それぞれが新しい生活を始めていくために、夫婦間で話し合いをして決めておくべきことがたくさんあります。
 それらのことがらををまとめて離婚協議書を作成するわけですが、このページでは、それらを大雑把に説明し、詳細を次ページ以降で解説します。

(1)子どもに関すること

 夫婦の間に子どもがいる場合、以下のことを決めておきます。

@子どもの親権
 未成年の子どもがいる場合、離婚後に夫婦のどちらが子どもの親権を行使するのかを決めます。これは離婚前に必ず決めておきます。

A子どもとの面接交渉権
 夫婦のうち、子どもと離れた側が子どもと会う権利についての取り決めです。トラブルを避けるため、離婚時に決めておくのが賢明です。
 ただし、実際に面接交渉を行うに際しては、子どもの意思に反して無理に会わせることはできません。
 ですので、子ども本人の意思を尊重し、その福祉を害しないよう配慮した上で、実際の面会の可否・日時・場所・方法などを決める必要があります。

B子どもの養育費
 離婚して親権がなくなっても、親子の縁が切れるわけではなく、扶養義務があります。そのため、子どもと離れた側の親が子どもの養育費を支払うことは当然のことです。

(2)お金に関すること

@財産分与
 夫婦で共同の財産を築いてきたのであれば、離婚に際してその財産を分配して清算する必要があります。
また、離婚によって経済的に困難になる夫婦の一方(女性であることが多いのですが)に対して、扶養的な意味での財産分与が行われることがあります。

A慰謝料
 慰謝料は、夫婦の一方に責められる事由が存在する場合に、これを不法行為として支払いを請求できるものです。そのため慰謝料は、必ず支払いを求めることができるわけではありません。

B生活費用
 夫婦が結婚生活を送るために必要な生活費用について、正式に離婚するまでの費用は支払いを求めることができます。
 これは、すでに夫婦関係が破綻していて別居状態にある場合でも同じです。別居していても、法律上は夫婦ですし、子どもがいれば扶養義務があります。
 ですので、夫の収入によって生活していた妻や子どもがいるにもかかわらず、夫が家を出て別の女性と暮らし始めたというような場合、妻は夫に対して生活費を支払うよう、請求できます。

(3)その他
@離婚後の姓
 離婚後に、結婚前の姓に戻るのか、それとも結婚していたときの姓を名乗り続けるのかを選択できます。


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