特別受益の持ち戻しの免除

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 9.相続における特別受益の持ち戻しの免除

(1)「特別受益」とは

 相続人が被相続人から贈与・遺贈等を受けていたという事情がある場合に、
その額を相続分から差し引くという形で、法定相続分が修正されます。
 これが「特別受益」という制度です。
 この「特別受益」にあたる贈与は、

@婚姻のための贈与(持参金・結納金など)
A養子縁組のための贈与(持参金など)
B生計の資本としての贈与(家屋等)           です。

 このように、特別受益となる生前贈与・遺贈があった場合には、特別受益
を受けた者の相続分から贈与・遺贈の額が引かれます。これが、「特別受益
の持ち戻し」です。


(2)「特別受益の持ち戻しの免除」とは

 この「特別受益」の制度は、相続の際に相続人の間での公平を図るため、
生前の贈与や遺贈の実状を考慮に入れて相続財産を分配しようというところ
にあります。

 他方、被相続人は、遺留分の制約を受けるものの、自分の意思で自身の財
産を自由に処分することが認められています。そうであれば、生前贈与また
は遺贈によって一部の相続人に特別に利益を与えることが被相続人の意志で
ある場合には、その意思を尊重すべきことになります。

 したがって、被相続人は、生前贈与または遺贈の相続財産への持ち戻しを
せずに、残った財産を相続人の間で分けるよう、指定できることになります。
 これが「特別受益の持ち戻しの免除」です。

 このようにして、被相続人は生前贈与や遺贈を相続財産に加えたくない時
は、遺言で「特別受益の持ち戻しを免除する」という記載をすることができ
るのです。
 もっとも、当然ながらこうして遺言書に持ち戻し免除の旨を記載したとし
ても、遺留分の制約を受けるのは当然のことです。


 
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