3.株式会社設立の基本事項の決定

 株式会社を設立するにあたり、まず最初に会社の概要を決めておく必要があります。具体的には、会社の名前(商号)、事業目的、会社(本店)の所在地、機関設計及び役員、営業年度等について、予め決定しておきます。

 また、株式会社の設立方法には発起設立(株式会社設立時に会社が発行する株式全てを発起人が引き受ける方法)と、募集設立(株式会社設立時に発起人は会社が発行する株式の一部を引き受け、あとは他の人に株式を引き受けて出資してもらう)の二つがあります。
 大規模に会社の経営を行う場合には募集設立をとることが多いでしょうし、小規模な会社を設立するのであれば、発起設立にすることが一般的です。

 なお、新会社法では株式会社設立時における類似商号の規制は撤廃されたので、同一住所でない限り、類似商号でも登記が可能となりました。ただし、すでに
存在する商号と類似した商号を使うことはトラブルを生じさせるおそれがありますので、類似した商号の会社が近隣に存在しないかどうか、予め法務局で調査しておくのが無難です。
 当事務所では、株式会社設立手続きを依頼されたときには、必ず法務局に行き、お客様の使いたい商号の会社がすでに仙台市内に存在しないかどうかを調べて
から株式会社設立手続きを進めるようにしています。

 さらに、公開会社(株式を他人に譲渡するのに制限をしない会社)にするのか、株
式譲渡制限会社(株式を譲渡するのに、取締役会または株主総会の承認を得なけ
ればならない会社)にするのかを、株式会社設立時に決めておくことも重要です。なぜなら、公開会社なのか株式譲渡制限会社なのかによって、許される機関設計等が違ってくるからです。

 具体的には、株式譲渡制限会社については、
@取締役会を設置せず、取締役は最低1人でもかまわない。
A定款に記載することで、取締役等の役員の任期を最長10年まで延ばすことがで
きる。
B監査役を置かなくてもよい。
C株主から請求されなければ、株券を発行しなくてもよい。
 と定められていますので、より簡易に株式会社を設立できるわけです。

 株式譲渡制限は、会社にとって好ましくない者が経営に参加してくることを防ぐた
めの手段ですので、身内で経営しているような小さい会社に適した形態であると言
えます。実際に、小規模の会社の多くが、株式譲渡制限会社です。

 株式会社設立にあたり、まずは以上のような会社の概要を定めておきます。


 
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