仙台の相続遺言・会社設立・内容証明・建設業許可
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【ある行政書士の単独発言】

◆「世界」2020年11月号 「読者談話室」
                    
 石川 雅之

 この国は経済的弱者をいじめる一方で、金持ちを優遇する税制を進めている。消費税引き上げは前者の、祖父母が孫に教育資金を贈与すると1500万円まで非課税としたのは後者の、それぞれの典型例である。

 にもかかわらず、朝日新聞(東京本社版)は本年6月21日の紙面で後者の制度の活用を呼びかけた。この記事では「多額の資産があって相続税対策が必要な人は検討を」という税理士の発言を載せ、そうした人は「この制度を使った方がいい」としている。

 しかし、相続税には基礎控除等の多額の控除が認められており、数年前に基礎控除額が引き下げられたものの、実際に相続税が発生するのは現在でも相続全体の8%程度でしかない。しかも、相続財産などというものは自分が働いて稼いだものでもないのだから、控除額を超えた分は躊躇せずに納付すべきだ。

 そして、相続税を潜脱させないために贈与税がある。大金を孫に贈与できるような裕福な高齢者からは贈与税を徴収し(手続き的には受贈者が納税者だが)、そうして集めた税金を、贈与など受けられない低所得層の子どもの教育を保障するために使うべきではないのだろうか。 

 にもかかわらず、多額の資産がありながら、相続税を少なくして子や孫にお金を遺そうとするのは自分の家族だけが良ければいいというエゴとしか言いようがない。納めるべき相続税をいかに少なくして子どもや孫に財産を遺すかの手段を意味する「相続税対策」を朝日新聞が無批判に後押したのは、公平な社会の実現に反する恥ずべきことだ。

 この国の経済格差は拡大する一方だが、親や祖父母の経済状況によって子どもが受けられる教育が決まるような社会にしてはならない。報道機関には、格差を肯定するのではなく、それを是正していくための報道をこそ、求めたい。

(これは、紙面に掲載される前の原文です)

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