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【ある行政書士の単独発言】

◆河北新報’18/1/28 「持論時論」

                    
 石川 雅之
 昨年十二月、米国のトランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定して米国大使館をエルサレムに移転させる考えを表明した。それ以来、現地ではパレスチナ人の抗議行動が続くとともに、国連総会では米国の認定を無効とし撤回を求める決議が採択されるなど、米国への反発が世界中に広がっている。
その渦中の十二月下旬から一月上旬にかけて、私は現地を訪問した。
 エルサレムでは、クリスマスシーズンにもかかわらず、例年は予約が取りにくいホテルでさえ宿泊客は少なかった。他方、重武装のイスラエル兵が街中の至る所で銃を構え、パレスチナ人の行動に目を光らせていた。
 エルサレムは宗教の違いを超えて民衆が共存してきた都市であるにもかかわらず、イスラエルが戦争で占領し、すべて併合したと宣言していた。しかし、武力で占領した土地を自国に併合することは国際法違反であり、エルサレムを首都と認めて大使館を置いている国は、世界中に一つもない。今回のトランプ大統領の宣言は、イスラエルの占領を合法と認めるものであり、中東和平の実現の妨げにしかならない。
 他方、今回の訪問で私が出会ったあるパレスチナ人は「トランプ大統領の発言を歓迎している。なぜなら、これまで顧みられなかった私たちのことに、世界の人々がやっと気付いたからだ」と言った。
 もちろん、この言葉はパレスチナ問題の解決を怠ってきた国際社会を皮肉ったものだが、私は虚を突かれる思いがした。たしかに、これまでパレスチナ人の人権は無視され続けてきたし、エルサレムに住むパレスチナ人はずっと追放の危機に直面してきた。
 今回私がエルサレムを見て回ったところでも、新たにユダヤ人入植地へ接続するために路面電車の延伸工事が行われていたし、別の場所では破壊された家屋や入植者に乗っ取られた家もあった。
 このように、現地では和平に逆行する事態が続いているが、希望がないわけではない。
 それは、イスラエルの側にも、パレスチナ人とユダヤ人が共存できる社会を目指して努力している人々が、少数ながら存在するからだ。私は様々な場でそうした人々と会い、話を聞くことができた。
 翻って日本を見れば、安倍政権は昨年二月に投資協定を結ぶなど、イスラエルとの経済関係を急速に強化している。また、国連総会決議に賛成したのは当然としても、他の多くの国々とは違い、米国の決定に対する自らの立場を明確に示していない。
 トランプ政権は今回、自らの方針に反対すれば経済援助を打ち切ると世界の国々に圧力をかけた。世界の最強国が札束で他国の頬を叩くような言動が許されれば、正義と公正ではなく経済力が世界の秩序を支配してしまうだろう。
 安倍首相は「米国は日本の同盟国」と繰り返し述べている。そうであるならば、トランプ政権の傍若無人なふるまいを、真の友人として諫めるべきではないか。「日本の外交は顔が見えない」と言われるのは、自らの立ち位置を明確にしないからだ。
 イスラエルが建国され、約七十万人のパレスチナ人が難民となってから今年で七十年になる。この節目に当たり、日本政府にはパレスチナ問題の公正な解決を目指す立場を明確にし、米国の愚かな言動を批判するよう、私は求めたい。

(これは、紙面に掲載される前の原文です)

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