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【ある行政書士の単独発言】

◆パレスチナの子どもの里親運動会報「マルハバ」2014-6月号

  「パレスチナ訪問記」
                           石川 雅之

 2013年末から2014年初めにかけて、パレスチナへ行ってきました。私にとっては、6回目の現地訪問(このうち1回はレバノンの難民キャンプ)です。今回は、93年のオスロ合意から20年が経過した中で、あらためて現地の状況を我が目で見、人々がその状況をどのように見ているのかを知りたいと考え、訪問の計画を立てました。

 結論を先取りしてしまえば、残念ながら、現地の状況は一層悪くなっていました。

 前回4年前に訪問した時に、エルサレムでトラム(路面電車)の工事がされていました。それが2011年に完成して、すでに運行されています。これは、エルサレムの交通渋滞を緩和するとの名目で作られてきたものですが、西エルサレム(イスラエル側)から東エルサレム(パレスチナ側)へと貫き、パレスチナ側の土地も奪って作られました。もちろん、東エルサレムという占領地に作られているので、国際的に非合法なものです。そのため、最初に関わったフランス等の企業が撤退し、工事が長くかかっていたのです。このトラムの終点まで行くと、そこはピスカット・ゼエブ入植地でした。これは85年に作られた人口4万人の大きな入植地で、さらに拡大しています。西エルサレムから入植地へ直結するというところに、トラムの真の目的がありそうです。

 また、入植地と言えば、エルサレムからさほど遠くない場所に建設されたハル・ホマ入植地も、4千戸から6千戸に拡大していました。さらに、ベツレヘムから近い村の土地を没収し、ハル・ホマ入植地をさらに拡大することをネタニヤフ首相が決定したということで、その現場を見てきました。

 さらに、分離壁(アパルトヘイト・ウォール)がパレスチナ人の移動・生活を非常に困難にしているという問題もあります。

 この分離壁は建設が始まったのが2002年ですので、今さらながらですが、2004年には国際司法裁判所が違法と批判したのも気にせずイスラエルが10年に渡って建設を続けてきました。これは一般に思われているようなイスラエルとパレスチナの間に建設されているというよりも、むしろ70%以上はパレスチナの土地を分断して作られているのだと、現地で案内してくれたパレスチナ人男性は話していました。

 この分離壁により、学校・病院・畑・親戚の家への移動も困難になり、多くの土地がイスラエル側に取り込まれていて、隣に住む親の家に行くのに数時間かかるというケースもあります。すでに8割以上が完成しているようです。

 これは以前からですが、エルサレムをヨルダン川西岸から分断する動きも顕著です。ヨルダン川西岸に住むパレスチナ人は特別な許可証がなければエルサレムに行けません。私がベツレヘムから乗ったエルサレム行きのバスにも、途中の検問所でイスラエル兵が乗り込んできて、一人の女性が、許可証を持っていたにもかかわらず、バスから降ろされてしまいました。イスラエルは明らかに、エルサレムからパレスチナ人を締め出すことを狙っています。大統領府のある都市ラーマッラーの町はとても賑わっていましたが、これもエルサレムに行くのがより困難になったためであるようです。

 そして、もう一つの自治区であるガザ地区については、外交官やジャーナリスト、特別な許可を持った大手NGO等、特別な人以外は入れないし、中からも出さないという、まるで牢獄のような状況になっています。

 私はガザ地区に93年と98年に入っているのですが、それ以降はいつ行ってもエレズ検問所でイスラエル兵に立ち入りを阻まれています。検問所はまるで空港のターミナルのような大きなものになっていますが、ほとんど通る人はいません。

 4年前に行ったときには「なぜ私をガザに入れないんだ?」と兵士に聞いたら「ハマスが悪いからだ」と答えたので、「違うでしょう。私をガザに入れないのはイスラエルでしょう」と少し口論しました。今回も、ガザに入れないことは分かった上で行ったのですが、検問所の若い女性兵士は私が何を聞いても「許可がなければだめだ」としか答えませんでした。

 ガザに入れずに兵士と虚しいやりとりをするだけのために、エルサレムから往復1万円以上のタクシー代を出してエレズ検問所まで行く意味があるのかと自問せざるをえないのですが、私はそれでも今後も現地に行くたびにとにかくエレズ検問所までは行こうと考えています。それは、「イスラエルを出てガザに入る」ことをイスラエルが妨害することには、何の理がないと確信しているからです。

 イスラエルという国は今、様々な矛盾の中にあります。これまでの1)パレスチナとの和平をめぐる賛成派と反対派の亀裂、2)東欧系出身のユダヤ人と中東等出身のユダヤ人の対立、3)ユダヤ教に忠実な人々と世俗的な人々の対立、4)イスラエル内の経済格差による対立、という問題がありましたが、今大きな問題となっているのは、アフリカからの移民をめぐる問題です。この間、アフリカから多数の移民がイスラエルへ入っているのですが、イスラエル政府はそれに対して強制送還か収監かという対応をし、それに対する反発が高まっています。私がテルアビブにいたその日に、政府の対応に抗議する6,000人のデモが行われていました。

 こうした状況の中で、ネタニヤフ右派政権の中では、パレスチナとの共存どころか、「ジューイッシュ・イスラエル」へと国名を変更しようなどという動きまで出ています。

 さて、あまり良くない話ばかりを書いてきましたが、その中でも、平和共存を目指す人々は屈せずに行動していました。いくつか、紹介しておきます。

 私の友人に、ハダスさんという女性がいます。彼女はユダヤ人ですが、イスラエル北部のガリラヤ地方でパレスチナ人の農民のオリーブ生産を支援する「ガリラヤのシンディアナ」という団体のリーダーです。4年前にハダスさんが私を案内してくれたのが、以前はイスラエル軍が使っていたロハという土地を村が取り戻し、そこにハダスさんたちが苦労してオリーブを植樹していました。そのオリーブが順調に育ち、初めての収穫ができるまでになりました。次は、ナザレの近くの村でも植樹を始めるそうです。ここで会ったRさんという若い女性は、以前カゴ作りの講習で学び、今は先生となって他の女性たちに教えています。

 クファル・マンダという村にある「ガリラヤのシンディアナ」のビジター・センターを訪れると、そこはカゴ作りの講習会場にもなっていました。小さな子どもが多くて働きに出にくいパレスチナの女性たちにとって、家で作業できるカゴ作りは恰好の仕事と言えるかもしれません。

 パレスチナ農民のオリーブ生産にしてもカゴ作りにしても、パレスチナ人がユダヤ人と対等に共存していくために、パレスチナ人の経済的な力を高めていこうという試みです。特に、多くのパレスチナ女性は貧困の中にあるので、女性たちに就業の機会をもたらし、地位の向上を図る活動をしていくことには大きな意味があります。

 また、今回の訪問で、私は初めてハダスさんの誘いで「ブレッド&ローズ・エクスビション」という絵画等の展示即売会場も訪問しました。

 このブレッド&ローズとは、かつてアメリカの女性運動・労働運動のスローガンだった言葉で、「私たちにパンと誇りを」という意味があるそうです。イスラエルで開催されるのは今回が8回目で、売り上げの25%が作品を出したアーチストに、75%がマアン(労働者アドバイスセンター)に入ります。年々拡大し、今回は400人の芸術家が出品、1,300人が来場しました。2日間の展示会の最初のセレモニーでは、アーチストの代表が「このような機会を作ってくれて感謝したい」と挨拶していました。

 最後に、ベツレヘム大学の生物学の教授であるマジンさんからお聞きした話を書きます。マジンさんは、パレスチナの多数のNGOが集まってイスラエルへのBDS(ボイコット)キャンペーンを行っている、その中心にいます(占領終結のために、ボイコット、投資引き上げ、経済制裁をパレスチナの市民グループ171団体が超党派で世界に向けて呼びかけている)。

 何人かで食事をしながらマジンさんのお話を聞きました。オスロ合意についてどのように考えているかをマジンさんに問うと、「パレスチナを南アのバンツースタンにしただけ。ここには形だけの自治しかない。(かつてアパルトヘイト政策をとっていた)南アフリカ共和国を世界の経済的ボイコットによって変えたように、BDSはパレスチナの状況を変えることができる。私は楽観的だ」と答えました。

 このように、悪い状況の中でも、パレスチナ人とユダヤ人の対等な共存に向けて努力している人々に会い、話を聞くことができたのは、幸いでした。
 私も、現地の人々と連携を取りながら、自分にできることを日本でしてくつもりです。マジンさんが言っていたように、アジアの西端にあるパレスチナとアジアの東
にある日本で、協力しながら軍事によらない世界を築いていくということに他ならないのだと、今回の訪問を通してあらためて確信したところです。


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